氏族(しぞく、うじぞく)
共通の祖先をもつこと、あるいは、もつという意識による連帯感のもとに構成された血縁集団。父系もしくは母系のどちらか一方の血縁関係によって結ばれている。クラン(clan)。
人類学用語の氏族はclanの訳語である。共通の祖先を持つという意識で結ばれた出自集団であるが、その祖先は神話的・伝説的存在であり、成員らは具体的な系譜を明確に認識してはいない点でリネージとは異なる。また氏族はいくつかのリネージから構成される場合が多い。氏族は固有の名称やトーテムを用いることも少なくないが、それらは当の集団の統合を示す象徴と考えられている。
(百科事典マイペディア)
リネージ
人類学用語としてのリネージは、父系出自か母系出自に基づく単系出自集団。一人の始祖からその子孫までの系譜関係を成員がはっきり認識している点で、具体的な系譜がより曖昧である氏族とは異なる。リネージは、成員間の相互扶助、紛争への参加、通婚の調停、葬式などを共同で行う単位であることが多い。外婚制をとることも普通で、リネージ間の通婚により広範囲な社会的連帯が可能となる。リニエッジ。リニージ。