月下推敲(げっかすいこう)
詩や文章を作るとき、その語句や表現などを何度も練り直すこと。
『唐詩紀事』四〇
中国唐の時代、詩人の賈島(かとう)が驢馬(ろば)に乗って洛陽の街を行きながら、詩を作っていた。すると「僧推月下門(僧は推す月下の門)」という詩句ができたが、「推」を「敲」とすべきかどうか迷いながら行くと、文人の韓愈(かんゆ)の行列にぶつかってしまった。供の者に引き立てられ、韓愈の前に出された賈島は失礼をわびながらそのわけを話すと、韓愈は「『敲』のほうがよい」と答え、それから二人で詩を論じ合ったという。