プレシオジテ(仏)
17世紀前半のフランスで、男性に服従を強いられていた女性の復権を恋愛を通じて行おうとした一種のフェミニズムで、ランブイエ侯爵夫人やスキュデリー嬢のサロンを母体にして生れた。
文学では、感覚と言語表現の極端な洗練を目指す風潮となって現れ、16世紀の粗野な風俗を正す意図があったが、次第に滑稽に陥り、モリエール (『才女気どり』) らの風刺の的となった。文学的表現としては、ボアチュールの書簡文や、当時大流行をみた恋愛冒険小説がある。この傾向自体フランス文学の一特徴、ほとんどあらゆる時代に形を変えて現れている。