望廈条約(ぼうかじょうやく)
1844年7月、中国、マカオ近くの望廈村で、清国とアメリカの間に結ばれた最初の条約。不平等条約で、アメリカはこれにより、イギリスが南京(ナンキン)条約とその追加・補足条約で獲得した権利、つまり五港開港、領事裁判権、関税協定権、開港場における土地租借権と家屋・教会の建設権などをほとんどすべて獲得した。そのほか、これには南京条約にはなかった、12年後に通商および航海に関してわずかな改正を行うための協議に関する規定が含まれていた。南京条約以後、期待したような貿易拡大を実現できなかったイギリスは、最恵国待遇条項によって獲得したこの条項を活用して、より有利な規定を実現するため、清朝に圧力を加えた。
(日本大百科全書(ニッポニカ) 、小島晋治)