天人の五衰(てんにんのごすい)
(仏語)天人の臨終の時に現われるという五種の兆候(衰相・死相)。天上の五衰。天人五衰。
経説により差異がある。『倶舎論』には大小の5種の兆候を説く。
大の5種の兆候。
(1) 衣服があかでよごれる。衣服垢穢。
(2) 頭上の華鬘 (けまん) がなえてしまう。頭上華萎。
(3) 身体がよごれて臭気を発する。身体臭穢。
(4) 脇の下に汗が流れる。腋下汗流。
(5) 自分の座席を楽しまない。不楽本座。
小の5種の兆候。
(1) 楽しい声が起らない。
(2) 身体の輝きが急になくなってしまう。
(3) 沐浴したときに水が身体に付着してしまう。
(4) まわりの光景に執着してしまう。
(5) 目を盛んにぱちぱちする。