「鯨法会」金子みすゞ 2022/1/26 2022/1/28 言葉 詩 鯨法会くじらほうえ 鯨法会は春のくれ、 海に飛魚とれるころ。 浜のお寺で鳴る鐘が、 ゆれて水面みのもをわたるとき、 村の漁師が羽織り着て、 浜のお寺へいそぐとき、 沖で鯨の子がひとり、 その鳴る鐘をききながら、 死んだ父さま、母さまを、 こいし、こいしと泣いてます。 海のおもてを、鐘の音は、 海のどこまで、ひびくやら。 ※金子みすずの著作権は消滅している。 こちらの記事もどうぞ「こだまでせうか」金子みすゞ「大漁」金子みすゞ「お乳の川」金子みすゞ「お魚」金子みすゞ「積もつた雪」金子みすゞ「轍と子供」金子みすゞ