華夷(かい)
(「華」は中国、「夷」はえびす)中国からみて、中国と外国。文明の地と野蛮未開の地。
華夷思想(かいしそう)
漢民族が自国民を中華と称して尊び、異民族を夷狄(いてき)と称して卑しみしりぞける思想。中華思想。
華夷秩序(かいちつじょ)
中国の皇帝を頂点とする階層的な国際関係を指す。古来中国にある自分たちは優れた文明を持つ世界の中心(中華)で、周囲は未開の野蛮人(夷)であるとの考え方に根ざす。
具体的には、中国皇帝の恩恵を受けるために朝鮮など周辺の国々は貢ぎ物をし(朝貢<ちょうこう>)、代わりに皇帝が王と認める(冊封<さくほう>)という形をとった。
アヘン戦争時は、朝鮮、琉球、ベトナムなどが中国と「朝貢・冊封関係」を結び、中国を「宗主国(そうしゅこく)」と位置づけていた。日本は古代や室町時代には関係を結んでいたが、当時は離脱していた。
出典:朝日新聞掲載「キーワード」